さっぽろ糖尿病・甲状腺クリニック 竹内理事長へのインタビュー
適性糖質メニュー&ワインバー Low Cave(以下:ローカーヴ)のオーナーであり、全メニューを監修しているのは糖尿病専門医である「さっぽろ糖尿病・甲状腺クリニック本院」の竹内院長。
先月「さっぽろ糖尿病・甲状腺クリニック イオン平岡」のご紹介をしましたが、その「本院」の院長になります。
ローカーヴを開業されて5年・・・開業された竹内院長の「想い」についてスマートチェーン代表がインタビューさせて頂いた内容をかいつまんでご紹介させていただきます。
竹内理事長へのインタビュー内容
佐伯)スマートチェーンとしても「食事指導サービス minaos®」を始めて7年になるのですが、食事指導をしていて、よく「外食したらほぼ必ず高糖質になってしまう」という問題に直面してきました。
道内では糖質を抑えられるレストラン自体が非常に希少である中、「ローカーヴ」は糖尿病専門医の先生がオーナー(◎o◎)!
ということで、市民にとっては非常にありがたい存在でして。
なぜ、このようなレストランができたのか?お伺いしてもよろしいでしょうか?
食事を楽しめる食事療法を
画像参照:http://lowcave.com/
竹内先生)もとを辿れば、糖尿病医を始めた20年程前に遡ります。
当時の糖尿病患者様への指導は、医師が鬼軍曹のように『厳しく食事制限・運動指示する』というのがスタンダードだったんですが、私はそういうスタイルがどうしても嫌でした。
当時は今のような『薬』も開発されていなく、情報も少なく、仕方ない面はあったのかもしれないけれど、
医師がそこまで『人』の生活に対して強要していいのか?生きる楽しみを制限していいのか?そんな権利があるのだろうか?
…そんな風にずっと思っていました。
佐伯)確かに…40代を超えた方からは「食べることを大事にしたい。楽しみたい。」というお話はよく聞きます。僕もそうですし(笑)
竹内先生)食事は、多くの人にとって生きる楽しみのひとつですよね。
糖尿病になったら食事は楽しめない。というのでなく、糖尿病であっても食事を楽しめるようにするにはどうすればいいのか?
そういう助言ができる医師でありたい。とずっと模索していたんですよね。
佐伯)確かに、私達が「食事指導」というサービスを提供していて、よく言われるのが「つらそう」とか「食事が楽しめなくなりそう」ということです。
竹内先生)そうですよね。
外食産業に一石を投じる
竹内先生)ただ一方で、「健康がしっかり考えられたレストラン」が少ないのも事実なんですよ。
ですから「外食を楽しめなくなる」と思われても仕方ないですよね。
ですから、正直、外食産業に対しても、
いくらビジネスとはいえ健康を害するような料理を提供していいのか?
お客様の健康に関わる職業なのだから『健康に対する意識・知識』はもっとあって然るべきではないか?
ずっと、そう思ってきて、
それで「自分でやるしかない」と思って始めた。という感じですね。
佐伯)確かに、健康的な食事について学ぶほど、飲食店選びは大変になります…
竹内先生)実際に(飲食店を)経営してみて、健康がしっかり意識されたレストランが現れては消えてゆく理由がよくわかりました。
大きく2つあります。
1つ目は健康を意識したメニューでは顧客満足の競争に勝てない。
お客様側の健康意識は、年々高まっていますが、それでも、まだまだ少数。
やっぱり健康を意識したメニューでリピートしてくれる人は少ないんですね。
2つ目は、健康に良い食材は、あきらかに高い。
だから、健康を本当に意識したレストランはやっていけない。
佐伯)なるほど…売上は上がらないし、コストもかかるってことですね…それは経営者としてはつらいですね…
竹内先生)ローカーヴはそういう外食産業に一石を投じるつもりでやっているようなところがあります。
ハッキリ言って、ローカーヴが5年続いてる理由は、ボランティアだからですよ。
やはり糖尿病の患者様から「助かる」と言われるから、続けてきた面はあります。
佐伯)やはり、そうなんですね…
確かに、私も仕事柄、健康を意識したレストランはよく探しますが、数年後にはなくなってることが多くて…食習慣を変えるという仕事をしている私達としては、ローカーヴの存在はとてもありがたいです。
5年前と比べると、健康を意識した飲食店は増えたように思いますが、先生はどう思われますか?
「低」糖質ではなく「適正」糖質であるべき
竹内先生)確かに健康を意識したレストランが増えてると思います。とてもいいと思います。
気になるのは、外食産業でよく「低糖質」という言葉を見かけますが、実は、私は糖尿病医として、低糖質はお薦めしてきませんでした。
高糖質もダメですが、低糖質もよくない。糖質は"適正"であるべきなんです。
実際、低糖質な方の寿命が短い論文も複数ありますからね。
(以下、なぜ「低糖質」ではなく「適正糖質」であるべきか。という理論をお伺いしましたが、ちょっと専門的で、長くなるので、ここでは割愛させて頂きます。ただとても貴重な話だと思いますので、別の機会で、ご紹介させて頂きます。)
…外食産業含めて世間の情報が「低糖質がいい」という方向に偏り過ぎてる気がします。
佐伯)確かに…「適正糖質」よりも「低糖質」の方が、わかりやすいからですかね(^^;
竹内先生)そうかもしれませんね。
ローカーヴでは「低糖質」というよりも、食材や調理方法を工夫することで、糖質量を適正に抑えながら、味にも、見た目にも妥協しない「適正糖質メニュー」を提供しています。
ただ、外食で人気の"麺類"は、実は、米よりも糖質が高いので、麺類を出そうとすると適正に抑えるのは大変です。
例えば、麺類の中でもヘルシーなイメージを持たれている"ざるそば"も、そばと海苔とつゆですから…実はかなり高糖質なメニューです。
それで、麺については製麺会社さんと協同開発でオリジナル麺=適麺®を開発しました。
ローカーヴでは、適麺®でラーメン・蕎麦・パスタをどうすれば美味しく食べられるか。いろいろ試作しては、当院の管理栄養士が栄養価を計算して…という繰り返しを重ねて、今のメニューになっています。
佐伯)個人的にはラーメンは週1回は食べるので、とっても助かります(笑)
実はもう個人的にローカーヴには3~4回行かせてもらってますが、どれも美味しくてビックリしてて。
関ケ原たまり醤油(ラーメン)が一番好きなんですよ(笑)
竹内先生)ありがとうございます(笑)
佐伯)イタリアンシェフによるレストランなのに、ラーメンや蕎麦もあるっていうのが、個人的にはありがたいです。
「イタリアン」と言えば、ワインの話も伺いたいのですが、先生はローカーヴとは別に
も経営されてますよね?
竹内先生)はい。ワインは個人的な趣味がもともとなんですが(笑)
佐伯)そうなんですね(笑)
「フランス・ロワール地方サントル・ロワール地区専門店」とのことなのですが、
僕、ローカーヴで、低糖質ワインも飲ませて頂いたのですが、あちらもフランス産なんでしょうか?
低糖質ワインの開発
竹内先生)あれは、北海道産です。
佐伯)そうなんですね(笑)、すいません、全然詳しくないもので(笑)
竹内先生)あ、いえいえ(笑)
ワインショップのマネージャーをしてくれている大床さん(日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ)が懇意にしている「奥尻島」のワイナリーさんが作ってくれたものなんですよね。
ワインはそもそも低糖質なんですよ。ブドウは果物の中でも珍しく単糖類ですから、発酵させれば糖質を0にもできるので。
ただ、フランスはじめヨーロッパ各地でもそうなんですが、ブドウだけでは糖度が低いので"補糖"をします。
補糖というのは、基本的に砂糖でするんですね。砂糖でもって"糖度"を上げて"アルコール度数"を上げることで、雑菌が出ないように発酵させ、美味しいワインができるんです。
この補糖を全くせずに発酵させることで糖質0のワインも作れるわけですが、なるべく補糖しないように発酵させる…これが難しいんですが、何度も試作して作ってくれました。
(以下、低糖質ワインを北海道で製造する難しさについて、お伺いしましたが、ちょっと専門的で、長くなるので、ここでは割愛させて頂きます。ご要望をいただきましたら、別途コラムで、ご紹介させて頂きますので、ご関心ある方はメッセージください!)
佐伯)とても素敵な話ですね。糖尿病の方でも飲めるワインを作ろうっていうことだったのでしょうか?
竹内先生)そうです。それで、あのワインには「ブルーサークル」をモチーフにしたエチケットをつけているんですよ。
編集後記:人生は楽しむ為にある
このコラムは、「病気とは関係なく、スマートスタジオ・スマートウェイに通って頂いてる会員皆様」に向けたコラムなので、
糖尿病専門医として20年以上、糖尿病の患者様と向き合ってきた竹内先生の話は「濃過ぎるのではないか?」と思い、今回のコラムでは紹介しきれませんでした。
ただ「糖尿病」は、全ての人にとって、縁遠い病気ではないと思います。
開業当時は月200名程だった患者数が、今日現在で月4,000名程まで増えているクリニックを経営されてきた竹内先生のお話は、スマートスタジオ・スマートウェイに通って頂いてる皆様にお届けしたく、いつかまた続きを書かせて頂きたいと思います。
例えば、竹内先生は、血糖値が高い方から「お酒との付き合い方」について聞かれることが、とても多いそうです。
糖尿病専門医として「お酒はダメ」と言うのは簡単ですが、竹内先生は、そうではありません。
糖尿病専門医として「お酒との上手な付き合い方」をアドバイスいただけます。
そうした知識・見識から、ローカーヴのメニューは構成されています。
さらには、
- オリジナルワインを製造してみてわかったこと
- レストランを経営してわかったこと
事業経営をすると、世に出回っている製品やサービスの裏側がよくわかります。
「こういう製品が広まるべきなのに、なぜ売られてないのだろう?」というナゾが解けたりすることが、よくあります。
そういう多面的な見地から助言をいただけるのが、さっぽろ糖尿病・甲状腺クリニック様に着々と患者さんが集まる所以なのではないか。と思いました。
「所以」と言えば他にも色々あるのですが、既にかなりの長文となってしまいましたので、今回はローカーヴのご紹介に関連するところだけお伝えさせていただきました。
最後までご精読いただき、ありがとうございました。
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