野菜で体の中も大掃除|管理栄養士マチコ先生のスマートコラム
令和5年国民健康・栄養調査にみる野菜摂取量
2024年も師走に入りました。
今年も皆さんは何らかのダイエットに励んだのではないでしょうか。理想の自分に近づくには一歩一歩進むことが逆に近道になります。
目立つ野菜摂取量の減少…
先日、厚生労働省より「令和5年 国民健康・栄養調査」が公表されました。
その中で特に目立ったのが野菜摂取量の減少です。野菜の目標摂取量は350gですが、今回の結果は目標量を約100gも下回り平均値で256.0 g (男性262.2 g、女性250.6 g )でした。
10年間の推移でみると男性は有意に減少し、女性も平成27年以降減少しています。年齢別でみると男女ともに20 歳代で最も少なく年齢が高くなると多く摂取していました。
結果の背景に物価高、特に野菜類の値段が高騰したことが原因のひとつではないかと考察できます。
確かに日々、ダイエット相談や特定保健指導を行なっていると野菜摂取量の少なさに驚かされます。物価高もありますが、野菜の補給をあまり考えていない人が結構な頻度で存在しているのも確かです。指導の際に、豆苗やモヤシなどの低価格な野菜を教えたり、その調理法や簡単レシピなどを伝えています。
野菜不足がダイエットにも影響
野菜不足で現れる体の症状で最も多いのが便秘。食物繊維が欠乏し、腸内環境が悪化してしまうからです。また野菜に多いビタミン、ミネラルの減少で代謝も低下。これだと、どんなに頑張ってもなかなかダイエットの成果が得られません。
スーパーなどで比較的低価格な野菜、特売品などを見つけて毎日の食生活に取り入れることが大事です。
時々、「野菜ジュースで補ってもいいですか?」という質問がくるのですが、野菜ジュースは飲みやすくするために果物が含まれていることが多いです。果物には果糖が含まれているので、市販の野菜ジュースだと商品にもよりますが、スティックシュガー約3〜4本に当たります。
できるだけ野菜は固形で食べ、歯で噛んで飲み込んで消化・吸収する方が、野菜本来が持つ栄養素の恩恵を受けることができるでしょう。
2025年を元気にスマートに過ごせるよう、今からできるだけ野菜の摂取を心がけることが大切です。
【 プロフィール】
- お食事のカウンセリングサロン「colan」代表
- 管理栄養士・料理家・コラムニスト
【 経歴 】
- 北海道北見市出身
- 天使女子短期大学(現 天使大学) 食物栄養学科 卒業
- 食事指導の企業で食事相談業務を行う
- 雑誌の編集者として取材、文筆業を行う
- 大手料理教室の料理講師として和洋中全般、美容に関する料理を教える
- 高齢者施設では栄養科長/管理栄養士として多くの実績を積む
- 現在はフリーランスの管理栄養士として活動中
- 2020年よりオンライン食事カウセリングを開始
- 2021年よりスマートチェーンでのオンライン食事指導を開始