中性脂肪を下げるための食事|管理栄養士マチコ先生のスマートコラム
中性脂肪とは?
ダイエット指導の前にアセスメントをしていると、中性脂肪が高い人が意外と多く存在しています。
10時間以上の絶食時に検査する空腹時採血の値で150mg/dl以上、空腹が確認できない場合の随時採血の値で175 mg/dl以上だと「脂質異常症」と診断をされます。
中性脂肪はエネルギー源の貯蔵庫として、脂肪組織や肝臓に蓄えられています。空腹時など第一のエネルギー源となる糖質を使い切ると、代わりにエネルギー源となって使われます。また体温の保持や、内臓を外部の衝撃から守る作用など体にとってなくてはならない存在です。
高い中性脂肪を放っておくと…
ただ中性脂肪が高過ぎると体にとっては大ダメージ。
高い値であっても自覚症状はありませんが、血管が傷つけられ動脈硬化の引き金になります。動脈硬
化を放置して、進行すると心臓や脳など血液の流れが悪くなり、心筋梗塞、脳梗塞など重大な病気に襲われてしまうのです。
また現在、日本人の3人に1人と言われている脂肪肝の発症要因にも。
中性脂肪を下げるための基本
中性脂肪を下げるための基本は食事の改善です。
まずは摂取エネルギー(カロリー)を抑えること。過剰なエネルギーは中性脂肪として蓄えられるので、食べ過ぎには注意が必要です。
糖質と脂質も摂り過ぎると、余った分はどんどん中性脂肪として蓄えられていきます。パンなど白い主食やお菓子類、甘い飲み物、脂っこい食べ物などは減らしましょう。
過剰なアルコールは肝臓で中性脂肪を合成するので、お酒はほどほどに。
摂取する脂質にこだわることも大切。肉類やバターなどに多い飽和脂肪酸は中性脂肪を上げます。逆に魚類に多いDHAやEPAは中性脂肪を下げる作用があります。脂質を考えるとたんぱく質は魚類を中心に考えていくといいですね。
そして野菜やきのこ類、海藻類などの食物繊維も忘れずに摂りましょう。
よって主食は食物繊維が多い玄米やもち麦などの雑穀系にし、主菜は魚類をメインにし、肉類を食べる時は脂身の少ない部位を選ぶこと。低エネルギーの大豆製品もいいでしょう。
副菜は野菜、キノコ、海藻類などをしっかり摂取。
果物は、中性脂肪を上げやすい果糖が多いことを頭に入れておいて下さい。
また週2回以上、運動をすると中性脂肪を減らす作用があります。運動は消費エネルギーも上がるので、一石二鳥です。
“食べ過ぎ、飲み過ぎ、間食し過ぎ、運動しなさ過ぎ”は、簡単に中性脂肪が高くなり、脂質異常症へ陥ってしまいます。知識を身につけ、自分の体を考えながら賢い食生活を送くっていきましょう。
【 プロフィール】
- お食事のカウンセリングサロン「colan」代表
- 管理栄養士・料理家・コラムニスト
【 経歴 】
- 北海道北見市出身
- 天使女子短期大学(現 天使大学) 食物栄養学科 卒業
- 食事指導の企業で食事相談業務を行う
- 雑誌の編集者として取材、文筆業を行う
- 大手料理教室の料理講師として和洋中全般、美容に関する料理を教える
- 高齢者施設では栄養科長/管理栄養士として多くの実績を積む
- 現在はフリーランスの管理栄養士として活動中
- 2020年よりオンライン食事カウセリングを開始
- 2021年よりスマートチェーンでのオンライン食事指導を開始