健康的な塩の選び方【管理栄養士監修】
塩は、人類の歴史と共に歩んできた重要な調味料です。
古代ローマでは通貨としても利用されていました。
海水を煮詰めて作るシンプルな製法とは裏腹に、塩には奥深い世界が広がっています。
近年では、健康志向の高まりから、ミネラル豊富な天然塩が注目されています。
しかし、一口に「塩」と言っても、その種類は実に様々です。
海塩、岩塩、湖塩…それぞれの違いはどこにあるのでしょうか?
このコラムでは、塩の種類と選び方、健康的な塩の使い方を解説していきます。
塩の種類と健康への影響
塩には、大きく分けて2つの種類があります。
1. 精製塩
- 主な原料:海塩
- 製造方法:海水を煮詰めて結晶化させ、その後精製する
- 特徴:
- 安価で手に入りやすい
- ナトリウム含有量が高く、純粋な塩味
- ミネラル含有量が低い
- 主に料理や保存に適している
- 健康への影響:
- ナトリウム含有量が高いため、高血圧や腎臓病などのリスクを高める
- ミネラル含有量が低いため、ミネラル不足の原因となる
2. 天然塩
- 主な原料:海塩、岩塩、湖塩など
- 製造方法:海水を天日干しにする、岩塩を採掘するなど、自然の力によって作る
- 特徴:
- 精製塩よりもミネラル含有量が多く、まろやかな味わい
- 種類によって様々な風味や旨味がある
- 料理の仕上げや、素材の味を引き出すのに適している
- 健康への影響:
- 精製塩よりもナトリウム含有量が少ない場合が多い
- ミネラル含有量が多いため、ミネラルバランスの改善に役立つ
主な天然塩の種類と特徴
天然塩には、海塩、岩塩、湖塩など様々な種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
1. 海塩
- 海水を天日干しや煮詰めて作る塩
- ミネラルバランスが良く、まろやかな味わい
- 代表的な種類:
- フランスのゲランド塩:伝統的な製法で作られる、上品な味わいの塩
- 日本の伯方の塩:瀬戸内海の海水で作られる、ミネラル豊富な塩
- ハワイアンソルト:ハワイ島の海水で作られる、ほんのり甘い風味の塩
海塩は、海水を天日干しや煮詰めて作られる塩です。
ミネラルバランスが良く、まろやかな味わいが特徴です。
2. 岩塩
- 古の海が陸地化した地層から採掘される塩
- ミネラル含有量が多く、しっかりとした塩味
- 代表的な種類:
- ヒマラヤ岩塩:世界一の高峰であるヒマラヤ山脈で採掘される、ミネラル豊富な塩
- イギリスのモルトンソルト:岩塩を高温で焼き上げた、深い味わい
- デンマークのゲラントソルト:岩塩を燻製した、スモーキーな風味
岩塩は、古の海が陸地化した地層から採掘される塩です。
ミネラル含有量が多く、しっかりとした塩味が特徴です。
3. 湖塩
- 塩湖から採掘される塩
- ミネラルの種類やバランスが独特で、希少価値の高いものもある
- 代表的な種類:
- ウユニ塩湖(ボリビア):世界最大級の塩湖から採掘される、塩味がまろやか
- デッドシーソルト(イスラエル):世界で最も塩分濃度の高い湖から採掘される、肌触りが滑らか
- 青海湖(中国):中国最大の塩湖から採掘される、マグネシウム含有量が多い
湖塩は、塩湖から採掘される塩です。
ミネラルの種類やバランスが独特で、希少価値の高いものもあります。
その他の塩
上記以外にも、様々な種類の塩があります。
- ハーブソルト:ハーブやスパイスを混ぜ込んだ塩。肉料理や魚料理などに
- カラーソルト:着色料で色を付けた塩。食卓を華やかに
健康的な塩の選び方
1. ナトリウム含有量
塩を選ぶ際は、ナトリウム含有量を意識することが重要です。
国で定めた1日の塩分摂取目標量は、男性で7.5g未満、女性で6.5g未満です。
- ナトリウム含有量が低い塩:海塩(ゲランド塩、伯方の塩など)
- ナトリウム含有量が高い塩:精製塩
2. カリウム含有量
カリウムは、ナトリウムの排泄を促進する働きがあります。
そのため、カリウム含有量が多い塩を選ぶこともおすすめです。
- カリウム含有量が多い塩:湖塩(青海湖など)
3. ミネラルバランス
塩には、ナトリウム以外にも様々なミネラルが含まれています。
カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルバランスが良い塩を選ぶのがおすすめです。
- ミネラルバランスが良い塩:岩塩(ヒマラヤ岩塩など)
4. 用途
料理の種類や目的に合わせて選ぶことも大切です。
- 肉料理:旨味のある岩塩(ヒマラヤ岩塩、モルトンソルトなど)がおすすめ
- 魚料理:あっさりとした海塩(ゲランド塩、伯方の塩など)がおすすめ
- パスタ:ミネラル豊富な湖塩(ウユニ塩湖、青海湖など)も面白い
- 仕上げ:素材の味を引き立てたい場合は、風味の少ない海塩がおすすめ
- 保存:長期間保存する場合は、水分が少ない精製塩がおすすめ
5. 価格
用途や頻度に合わせて、適切な価格帯の塩を選ぶことも重要です。
- 日常使い: 安価な精製塩や海塩
- 特別な料理: ミネラル豊富な天然塩
- ギフト: 高級感のある岩塩や湖塩
健康的な塩の使い方
塩を健康的に使うためには、以下の点に注意しましょう。
1. 量を控える
1日に摂取する塩分の量は、男性で7.5g、女性で6.5gを目安にしましょう。
- 料理の味付けは、だしやスパイスなどを活用しましょう。
- 外食を控える、加工食品を控えるなどの対策も有効です。
2. カリウムを意識する
カリウムを多く含む食品(バナナ、海藻類、ほうれん草など)を積極的に摂取しましょう。
3. 塩分控えめレシピを活用する
塩分控えめレシピを参考に、料理を作りましょう。
4. 個々の体調に合わせる
健康的な塩の選び方や使い方は、あくまでも一般的な指針です。
高血圧や腎臓病などの持病がある場合は、医師に相談しながら、自分に合った塩を選ぶことが重要です。
5. 美味しく塩を楽しむ
健康的な塩を選ぶことは重要ですが、塩本来の美味しさを楽しむことも大切です。
6. 塩以外の調味料を活用する
塩に頼らず、他の調味料を活用することも減塩に効果的です。
- だし:昆布や鰹節で取っただしは、うま味成分が豊富で、塩を控えめにできます。
- スパイス:ブラックペッパー、ハーブ、カレー粉などのスパイスは、味にアクセントを加え、塩を減らすことができます。
- 酸味料:レモン汁や酢は、酸味を加えることで、塩を控えめにできます。
工夫次第で、塩を使わずとも、美味しい料理を作ることができます。
今回ご紹介した内容を参考に、自分に合った塩を選び、健康的に塩を楽しみましょう!
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