たんぱく質との上手なつき合い方|管理栄養士マチコ先生のスマートコラム
たんぱく質の働きをおさらい
筋肉ブームに乗って、たんぱく質がクローズアップされるようになった昨今。コンビニやスーパーなどでもたんぱく質が強化された食品が目立つようになりました。
たんぱく質の働きをおさらいすると、筋肉や血液、内臓など体の構成成分でホルモンや神経伝達物質の原料。血液成分や免疫物質、遺伝子、コラーゲンなどはたんぱく質の一種になります。
さらに糖質や脂質が切れた時はエネルギー源として活躍します。
食事で摂取したたんぱく質は胃で消化し、小腸に吸収されてアミノ酸まで分解。そして血液を介して肝臓へ行き、全身の細胞に運ばれていきます。
たんぱく質不足と過剰摂取に気をつけて
体は約10万種類ものたんぱく質で作り上げられています。これらたんぱく質はたった20種類のアミノ酸によって作られているというから驚きです。
この20種類のうち9種類のアミノ酸が体内で合成できず、食事から摂取する必要があります。これが「必須アミノ酸」。食事からのたんぱく質の摂取量が少ないと必須アミノ酸も補給不足になるということ。
するとたんぱく質欠乏状態になり筋肉の減少、肌荒れ、抜け毛、免疫力の低下など体全体の働きを悪化させます。
たんぱく質は糖質と同じく1グラム4キロカロリー。糖質と同じエネルギー量でも血糖値の上昇が緩やかなので太りにくいと言えますね。
余分なたんぱく質は尿として排泄されます。過剰に摂取すると腎臓に負担がかかってしまい腎疾患の原因になったり、尿と一緒にカルシウムが排泄されてしまうため骨がもろくなったりします。
体に良かれとたんぱく質を摂り過ぎると逆に健康を阻害することになってしまうのです。
適正量を知って上手にたんぱく質を補給
たんぱく質の適正量は諸説ありますが、体への負担を加味すると現体重のkgをgに変えた値を最低値とし、その1.3倍までにすることが望ましいと言われています。60kgの人は60g〜78gまでにするということ。
鶏むね肉(皮なし)100gを食べたからと言ってたんぱく質が100g摂取できるわけではありません。この場合は19gの摂取量になります。
食事をする度に食品のたんぱく質量を調べるのも大変ですよね。そこで目安となる値を覚えておくといいでしょう。
たんぱく質の目安となる量
食品 | たんぱく質量 |
肉・魚類(100g) | 約20g |
卵(1個) | 肉・魚類以外の高たんぱく質食品は ざっくり約7gと考える |
豆腐(1/3丁) | |
プレーンヨーグルト(150g) | |
チーズ(30g) |
たんぱく質は一度に摂取しても全てを吸収することができません。一日の量を三食で分けて食べることが望ましいのです。
皆さん、自分が食べているたんぱく質の量は足りていますか?それとも摂り過ぎていませんか?
たんぱく質の摂取量をもう一度見直して、上手に摂っていくことが大切です。
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【 プロフィール】
- お食事のカウンセリングサロン「colan」代表
- 管理栄養士・料理家・コラムニスト
【 経歴 】
- 北海道北見市出身
- 天使女子短期大学(現 天使大学) 食物栄養学科 卒業
- 食事指導の企業で食事相談業務を行う
- 雑誌の編集者として取材、文筆業を行う
- 大手料理教室の料理講師として和洋中全般、美容に関する料理を教える
- 高齢者施設では栄養科長/管理栄養士として多くの実績を積む
- 現在はフリーランスの管理栄養士として活動中
- 2020年よりオンライン食事カウセリングを開始
- 2021年よりスマートチェーンでのオンライン食事指導を開始